<Liver trial>
「じゃ2階から調べよっか」
に手を引かれてリビングを後にする。
2階に行く前にダイニングを覗いて宍戸と鳳の言っていた女の人が居ないか確認してみたが残念な事にその女性の姿はなかった。
2人共ダイニングから女性が出て来たか如何かは見ていないらしく女性と男性の事は気になるが一先ず短冊探しに力を入れる事にした。
2階へと続く階段も2度目となれば初めてよりも少なからず安堵感がある。
「大丈夫か?」
「…忍足が心配してくれるの?!」
余りにも吃驚しては進めていた足を止めた。
忍足は普段女の子には優しいがに対して労わりの言葉を掛けた事がない。
驚いているのはだけではない。
跡部も宍戸も鳳も…滅多に表情を出さない樺地でさえだ。
「俺が心配したら悪いんかいな」
心外と言わんばかりの忍足の態度。
「いや、悪くはないけどなんかね…ほらあたし心配された事ないし」
なんと答えたら良いか解らないが本気で吃驚している。
心配される様なキャラではないと自身自覚しているからだろう。
その言葉に周りが納得していると忍足はぶつぶつ言いながらその話題を変えた。
「栞さっき俺らが3つに別れたんはお前の仕業か?」
の隣に立っている栞を見下ろして先程の怪奇現象について聞いた。
−それは私じゃないわ−
栞は首を横に振りながら否定した。
…栞ではない。
とすると先程の怪奇現象は一体…。
「俺等ダイニングに居たんだよな」
「さんと話してたのに何時の間にか2人だけになってて」
「あたし?」
ダイニングに居た宍戸・鳳組みはダイニングで起こった事を事細かに話し出した。
と話していた事・周りの人がいなくなった事・そして女性の事も。
「あたし亮ちゃんとちょたと話してないよ?」
は2階から下りて来て宍戸と鳳と話したのはリビングに集ってからが初めてだと言う。
「じゃあ、俺等と話してたのって…」
宍戸と鳳は顔を見合わせた。
は鳳と話をしていない、が2人はの声を聞いている。
背筋がひやりとした。
−…女性って言うのはどんな?−
「髪が長くてふわふわした感じの」
顔は良く見えなかったが優しそうな雰囲気を醸し出していた。
−…………−
俯いて黙り込んだ栞を不思議に思い声を掛けようとがしゃがみ込む。
「俺達も何故か書斎に居たよな?樺地」
「ウス」
跡部は書斎で見付けた写真を栞に見せた。
「コイツと擦違った」
写真の人物を指差す。
跡部が示したのはにこりとも笑わない男性。
も見付けた写真を見せて比べる。
全く笑わずに冷め切った夫婦とその間に挟まれた少女が悲しく笑っていた。
「俺等が見たのって…」
「雰囲気が似てますよね」
この写真に写っているのは栞と栞の両親。
が持っていたのは仲が良かった頃の写真。
そして、跡部が見付けたのはその後の写真。
その写真を栞は無言で見詰めていた。
階段を全て上り切り最初に行った奥の客間へ向かった。
向かっている間中栞は黙り込んでいた。
「ねぇ…あたし等が出る時此処のドアって閉めたよね」
奥の客間よりも手前にある客間の扉が開いていた。
「閉めたぜ…確か」
確かに此処の扉は閉めた。
なのに何故か開いている。
もしも閉め忘れていたとしても階段を下る時に気付く筈だ。
誰も気付かなかった…そんな筈は無い。
「何で開いてんねん」
客間の手前で立止まる。
風もない。
誰も居ない。
「フン、見てみれば良いだろうが」
言い知れぬ不安を抱くを他所に跡部は歩いてドアノブを手にした。
ギィ…バタンッ
「ッ!!」
跡部は触れただけだ。
少しも力など込めていない。
なのに何故か勢い良くドアが閉まった。
「あ、とべ…」
跡部の背後を指差し周りは青白い顔をしていた。
跡部がゆっくり振返ると其処には見知らぬ女が立っていた。
あぁ…進まない進まない(泣
如何やったら進むの?!
ってか今回短いね…。
て言うか、何でこの話を書くと何時も寒くなったり苦しくなったり体の一部が痛くなるの〜(号泣
もうホント嫌だよ。
コレね、ぶっちゃけ結末決めてないの(ヲイーッ
だからねズルズル引き摺りそう…。
でも如何しても書きたいので、指が痛くても腕が痛くても悪寒が走っても完結させますよ!!
2004/07/26